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『「きまるくん」のようになりたい』

ペンネーム:クラゲ王子

挿画01 私には、幼少の頃から現在に至るまで、憧れのヒーローがいる。それは劇団カッパ座に登場する『きまるくん』というキャラクターである。

 きまるくんはいつもニッコニコの笑顔でみんなの幸せを願う心優しいカッパの男の子で、キラキラと輝く大きな目が特徴的だ。とある劇中で、「願い事を1つだけ叶えてもらうなら」というテーマに森の動物達は自分自身の夢や目標をお願いするのだが、きまるくんだけは「みんなの願いが叶いますように」と言うシーンがある。普通、「夢はなんですか?」と聞かれれば「お金持ちになりたい」とか「野球選手になりたい」とか、一般的に多くの若者が答えると思うのだが、彼は他者の幸せを1番に願っていたのだった。

 普段の生活で「人の幸せを願う」という言葉は聞き慣れないと思うし、なかなかできないことだと思うのだが、身近な例を上げるとすれば誕生日をお祝いすることだろうか。誕生日はその人にとって最も特別な日の1つだが、他人にとっては普通の日である。そのため家族や仲の良い友人以外の誕生日を把握している人は少ないだろう。私も以前は特別意識していた訳ではなく、家族の誕生日ですらうっかり忘れていたということもあった。しかし私の誕生日になると家族はもちろん、叔父や祖母、親友やそんなに親しくない友人からも「おめでとう」と言っていただき、うれしくも大変申し訳ない気持ちになったのだった。

 「私の幸せを願ってくれる人がいるのに、私は何もしてあげていない。これじゃ、きまるくんには程遠いな」と気付けたのはこの時だったと思う。それ以来、仲の良い人にもそんなに関わりのない人にもできる限り誕生日を把握して「おめでとう」と言うようになった。さ細なことでも人の幸せを願う気持ちを込めて言葉に出して伝えたとき、「ありがとう」と言ってもらえるとやはりうれしいものである。

 まだまだ、きまるくんにはほど遠いのだが、普段の生活の中で少しでも「人の幸せを願う」ということは心に留めておきたいものだ。

 いつか『きまるくん』のような人になりたい。

  
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