現在進行形のあなたにエールを! 心温まるエピソード |
『適度な距離』
タエコは夫のマサルの声が聞こえたような気がしたので、「あら、何か言ってたかしら」と言うと、マサルからは、「いや、いいんだ、自分でやるから」と返ってきました。 マサルはエンジニアとして忙しく働き、タエコは3歳になる娘を保育園に預けて事務のパートをしています。娘も3歳になると口も達者で動きも早く、家でも「そこ、危ないわよ」「そこはそうじゃなくて」と、目が離せません。 そんな日が続いたある日、タエコは久々の休みを家の用事をしながら、テレビに映る午後の情報番組を見ていました。 タエコは画面に見入ってしまいました。相手との距離かぁ。やがて保育園に娘を迎えに行った後で夕食の仕度。いつものように娘のしぐさが気になりますが、タエコは思います。 そこへマサルが帰ってきて言います。「おお、今日は家の中が随分ときれいじゃないか。頑張ったんだね」 夫との距離、私が遠くしてたんだわ。よし、夫との距離をもっと近くして、夫婦の間合いの達人になるぞ。 |