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『心を向けてみれば』

ペンネーム:森のくまだんべ

挿画1 ある休日のこと、久しぶりに家族でショッピングに出かけることにしました。郊外にあるショッピングモールで、以前から「休みになったら行きたいね」と話していた所でした。

 広いショッピングモール内でお目当ての店に行きました。妻も私も子供もそれぞれに買いたい物があったので、スポーツ関連のグッズが豊富に取り揃えてある店内をぐるぐるぐるぐる。私は探していたちょうど良いジャージを見付けてカゴに入れ、その後特設コーナーにある最新式の機能を備えたスポーツウエアやシューズなどを見ていました。

 しばらく時間がたったころ、娘が「お父さん、お母さんが探していたよ」と呼びに来たので、店内にいる妻のところへ行ってみると、黒のズボンを手にして眺めています。そのズボンは膝の上にサイドラインが3本斜めに入った、とてもスポーティーでしゃれたデザインだったので、「これでいいんじゃない、いい感じだね」と軽く声を掛けました。しかし、妻は「いいんだけど、もう少しシンプルな方がいいかな?」と少し迷っている様子。そこでふと(妻と一緒に探してみよう)と思い、「もっと他も見てみたら。ちょうどいいのがきっとあるよ!」と妻に伝え、一緒に店の中を探してみることにしました。広い店内を隅々まで回ってみると、ゴルフ、テニス、アウトドアのコーナーと様々です。

 そうしてウィンドーショッピングを楽しんでいると、さっき回り始めたところに戻ってきました。するとどうでしょう。そのすぐ左隣のコーナーに、妻が探していたイメージとぴったりの黒のシンプルなズボンが、種類も豊富に陳列されているではないですか。早速手に取り「これも候補、これも候補だね」といって試着室でのお試しタイムです。「サイズはこっちだ、デザインはこっちだ」と夫婦でほのぼのとした時間を過ごし、妻は「パパのおかげで探していたちょうど良いズボンが見つかったわ、ありがとう!」と喜んでくれたのでした。今まで、服を選んだり買い物をする時は、私が見てもらうことがあっても、妻の服を一緒に考えたり探したりしたことはほとんどありませんでした。
 妻の気持ちにちょっと心を向けるだけで、夫婦のほのぼのとした時間が生まれました。妻のうれしそうな表情を見ると、夫としての表現にひと工夫できたことがありがたく、幸せな気持ちになりました。

 私たちの日常は、目の前に起こるさ細なことの積み重ねでできています。そこに気持ちを込め、心を寄せてそのことに当たることができたとき、それは事柄だけでなく思いやりになり愛情になり感謝になり喜びにもなるのでしょう。夫婦のステキな時間を、瞬間を、これからもたくさん味わっていきたいと思う今日このごろです。

  
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