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楽しむ力

違いがあっても

ペンネーム : ひまわり

 先日テレビを見ていたら、男性と女性の違いについての特集番組があり、つい引き込まれて見てしまった。男性は「何も言わなくても通じ合う関係が良い」と希望し、女性は「何でも話し合って、共に行動したい」と望んでいる、という説に思わず納得した。

 そう言えば、我が家では主人が夕食の献立にリクエストをすることはほとんどないのだが、たまたま出したお好み焼きを見て「それ、2、3日前からずっと食べたかったんだ」と感激していた。そんなこと、言ってくれればいいのに! と思ってしまったのだが、そこはやはり、言わなくても食べたいものが出てくるというのが理想のようだ。

 私の楽しみは、主人とのショッピング。主人もショッピングが大好きで、私の服はほとんど主人が見立ててくれる。夫に服を選んでもらうなんて、と友達には驚かれるが、二人であれこれ話しながら選ぶこの時間は、私にとって最も幸せなひとときだ。

 「男性と女性の違い」はあっても、その違いを尊重し、違いからの発見を積み重ねていくと、すてきな夫婦のパターンを築き上げることができるのではないか、と思う。

 


品格のある女性に

ペンネーム : スイトピー

 何年か前にベストセラーになった、坂東眞理子さんの『女性の品格』という本がある。 先人の女性たちや筆者自身の、女性が女性として輝きつつ人の上に立って働く在り方が書かれていて、心躍らせて読んだ記憶がある。

 義母もバリバリ働く女性だった。「姿勢を正しく保つ」と『女性の品格』にも書いてあったが、義母も立ち姿がすっとして姿勢の良い人だった。ある団体の責任者をしており、部下はほとんど女性だった。そして、いつも笑顔で部下の若い女性たちと向き合っていた。

 義母が亡くなった後に、部下の方々や義母を知っている人たちから、私が知らなかったエピソードをいろいろ聞かせていただいた。「何度もお手紙で励ましていただいたんですよ」、「電話でよく愚痴を聞いてもらい、アドバイスをいただいていました」、「お義母さまからはお料理の出しの取り方も教わりました」など。女性の長だからこそ、がんばる女性たちの気持ちがわかり、ぴったり相手に届く心遣いができていたのではないかと思う。


 仕事場でも、男性にはない女性ならではの柔軟な対応の方法というのがあるのだと思う。義母のような温かさと優しさを持った女性ならではの心遣い、そして自分への厳しさを持つことで、女性としての品格が備わるのでは、と義母を偲んでは思う。少しでも品格のある女性になれたらと、猫背の私はまずは姿勢を良くしようとがんばっている。


だからこそ……

ペンネーム : くじら

 テレビの討論番組をよく見るのですが、男性コメンテーターの発言と、女性コメンテーターの発言で、その場の雰囲気が変わるように感じます。男性が質問したら、きっとけんかになるかもしれないと思うようなことでも、女性はさらりと聞いたりします。見ている私は「よくぞ聞いてくれた」と思いながら、拍手をしています。出演者同士の発言がヒートアップして、この先どうなるのだろう……という時、お互いの頭を冷やすことにつながる発言をしてくれるのも、女性が多いようです。「そんなに熱くならないと、話ができないのですかぁ?」などと言ってくれた時には「そうそう、もっと落ち着いて話してよ」と一視聴者は思います。

 先日ある会議で激論が交わされ、皆の気持ちがヒートアップした時に、メンバーの中で唯一の女性が「まあ、ちょっとお茶にしましょうよ」とやさしい声で一息入れて、場を和ませてくれました。

 女性だからこそと思えるすてきな表現に、毎日のように遭遇します。その場を一瞬で和ませる、女性にしかできないような表現力を持っている。女性ってすごいなぁ、と私は心から尊敬しているのです。素直で、温かで、一切を包容し受け入れる、そんなやさしさをきっと生まれながらに持っていて、世の中はそれでバランスがとれているのだと思います。


おしゃべりの延長線上に

ペンネーム : 美猿

 某百貨店では、来店者の8割以上が女性であることから、店長を女性にしたところ、会議や残業の時間が半減したにもかかわらず、売り上げはアップしたとのこと。

 男性店長の時代は、机上で考えた企画についての会議の連続で、いい提案でも売り場に反映されるのは1か月半後がザラだったという。

 女性店長になって始まった通称車座会議では、各売り場のリーダー30人が6、7人の小集団に分かれて話し合う。そこでは結論は求められない。そこから各売り場連携のアイデアが生まれる。一部で展開予定の、あるデザインを基調とした売り場作りについて。それを店全体でやれないかとの提案に、店長の「よし、やろう」の一言で、雑談のような話し合いから15分後には実施が決まっていたそうだ。

 わが社においては、点在していた事務所を1か所にまとめたところ、年数回の大規模なイベントに向けての準備がスムーズにいくようになった。そこでも、女性が日々活躍している。彼女たちにも、それぞれ担当の業務はあるのだが、複数の仕事を同時にこなすことが得意な女性だからこそ、そこはうまく折り合いをつけて、得意分野で腕を振るっている。あれこれおしゃべりしながら作業をするうちにアイデアが湧き、それをすぐ実行に移す。秋の運動会の小道具作りと同時進行で、来夏のイベントのための浴衣のリフォームがすでに1年前から始まっている。

 女性のおしゃべりは、決して無駄話ばかりではない。思いついたことを言い合ううちに、アイデアが、夢が広がる。そうすると、すぐ実行に移したくなり、実現につながる。男性から見ると何の意味もないように見える女性のおしゃべりも、時と場合によっては夢を実現する原動力になるのかもしれない。