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『「夢」― その一歩先へ』

挿絵

             ペンネーム:peco

 今回、夢というテーマで作文を依頼され、久しぶりに「夢」という言葉と向き合った。そうすると、私はあまり夢という言葉が好きではない、ということに気がついた。

 小学校六年生の時にミュージカル「CATS」を観て、私の夢は舞台の上で踊ることになった。いや、「夢は何か」と尋ねられたときにそう答えていたが、あの頃から夢という感覚ではなかったような気がする。高校を卒業し、ミュージカルの専門学校に通い、ユニバーサルスタジオ・ジャパンのダンサーが私の初めての仕事だった。挿画02その後、東京ディズニーシーのダンサーに合格して上京し、人との色々な出会いや仕事に恵まれ、国内をはじめヨーロッパやアメリカのラスベガスで舞台を踏んだりもしてきた。他の人から見れば、夢をかなえたと言えるだろう。人や仕事との出会いに恵まれたことは私の親、先祖が積んでくれた徳のおかげで感謝をしてもしきれない。でも、今、私は夢をかなえて満足だとは思わない。まだまだやり足りないことがたくさんある。一つのことを成し遂げると、必ずまた新たに挑戦するべき目標が見えてくる。人が高みを求める欲望とは果てしないもので、でも、だからこそ人は一歩一歩先へ向かって生きていけるのだと思う。

 「夢」という言葉の響きはとてもすてきだ。私も幾つかの夢を実現してきたのは確かかも知れない。でも、私が実現してきたのはその時々の目標であって、夢見ているうちは何も始まらない、始まっていないと思うのだ。だから私は、夢という言葉があまり好きではないのだと感じた。

 若過ぎるとか歳をとり過ぎているとか、早過ぎるとか遅過ぎるとか、そんなことは自分に対する言い訳だ。ただ、単なる夢ではなく、私にとってのかなえるべき目標と思えるか、思い始められるかだ!!

 やりたいことをやりつつ突っ走ってきて早十年、もうそろそろいいトシになってきたなぁと思う自分に、この辺で発破をかけてみたい。

  
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