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笑顔付きの“ごちそうさま”

 ある日の朝食で、4歳になる娘が玉子焼きを前にして「これ、キライ」と言った。とっさに「好き嫌いはいけないよ」と注意すると、なぜか娘は不思議そうな顔をした。その時ふと、“あれっ?いつもは玉子焼きが大好きなのに、おかしいぞ”と思った。

 そう言えば、ときどき、好きな物でも「嫌い」と言うことがある。しばし考えてみると、娘のそれは「嫌いだから食べたくない」ではなくて、「おなかがいっぱいでもう食べられない」という意味ではないか、と気が付いた。

 「ひょっとしておなかがいっぱいになったってこと?」と尋ねると、小さな声で「うん」と答えた。そういう時は「ごちそうさま」って言えばいいよと教えながら、言葉だけを聞いてそこにある子供の気持ちにまで思いが至らず、頭ごなしに注意したことを反省した。

 その日から、娘の「嫌い」は、にっこり笑顔付きの「ごちそうさま」に変わった。

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