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『受け止めてあげられたら次々と』

ペンネーム:モモ

数学の教師になって4年目。中学で新しいクラスを担当した。 授業も回数を重ねるにつれ、生徒さんの初対面の緊張感はだんだんと薄れてきた。 しかし午後の数学の授業というのは、あまり計算が好きでない生徒さんにとっては、眠気との闘いとなる。

少し居眠りが目立ってきた頃、生徒さんの様子を見ると、暑そうにしていた。 『そうだよな…暑いと頭もボーッとするよな』 そこで百均で、手回し式の可愛い扇風機を買ってきた。 睡魔に負けた生徒さんを優しく起こし、「おーい、頑張れ~」と扇風機で風を当ててあげる。 風を当てられた方は、フフッと苦笑して……。 ただ起こすよりもなかなかいい感じではある。

数学が苦手な生徒さんは黒板を使っての説明をあまり理解できていないようだ。 聞き方が散漫というか、心が集中しきれていない感じ。 そこで今度は、小さなホワイトボードを買ってきた。 全員に問題を解かせている時など、解答に立ち向かっている生徒さんたちはよしとして、行き詰っている生徒さんには机まで寄って行ってその小さなホワイトボードを使って説明する。 1対1で説明すると、割と理解できるみたい。 こうしていろいろ思い付いてやってみると、なんだか楽しくなる。

最近、「面倒くさい」「やりたくない」というツブヤキを聞いた。 そっかぁ。計算が面倒くさいんだね。そりゃあやりたくないよね……。 小学生の頃から、すでに計算は嫌いだったんだろうな。 何の抵抗もなく、問題にどんどん取り組める人もいるけれど、計算が面倒くさい人には、きっとキツイんだろうね……。

なんとかしてあげたい。少しでも、「できる」感じを味わわせてあげたいと思うけれど、まあしかし、何年も前からの状況がそんなに簡単に解決するわけもないか……。 あせらずに、ほんの少しずつ、一つ一つ授かりながら進んでいけたら良いのでは? ふと、そう気付いたら、少し心が楽になった気がする……。 祈り心をもって温かい心を添わせ、生徒たちと一緒に乗り越えていけたらありがたいと思う。

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