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愛はコミュニケーション

『義母の介護』

ペンネーム : スイートピー

 義母は50歳のときに心臓の手術を受けたが、そのおかげで、海外旅行に何度も行けるほどに元気になり、ばりばり仕事もこなしていた。一人で近くに住んでいて、毎晩我が家で一緒に食事をしていた。70歳を過ぎたころ、主治医から「いつ倒れてもおかしくない」と言われ、74歳のときに同居することになった。

 同居すると、距離が近過ぎるせいか、楽しくない思いをすることが多くなった。そのたびに義母と私の間で夫を右往左往させてしまい、夫には本当に迷惑を掛けた。

 義母が仕事中に転んで足を骨折したのが78歳のとき。すでに大腿(たい)骨も疲労骨折していることが分かって、かかりつけの整形外科病棟に入院したのだが、主治医がきて、心臓と肝臓も相当弱っているからと内科病棟に移された。だんだん弱っていく義母を毎日病院に見舞った。車椅子で散歩に連れ出したり、背中や足をさすったりした。主治医からは「何でも好きなものを食べさせていい」と言われていたので、多分味を感じなくなっているだろうとは思ったけれど、義母の好きな「はも」を食べてもらったりした。最後の2週間は夫と交替で病院に泊まり、お世話をさせてもらった。

 可愛がっていた孫が神戸から見舞いに来て、元気に手をふって別れてから30分後、モニターがつながれていたナースステーションの看護師さんがあわてて病室に入ってきた。義母の息がなくなっていたらしい。そのとき病室に一人でいた私は、義母が亡くなったその事実が受け入れられなくて衝撃を受けた。

 夫とともに義母を介護させてもらった8か月間は、神様からのご褒美だったような気がする。お世話させてもらったからこそ、義母をいとおしく思う気持ちをいっぱい感じさせてもらった。お義母さん、本当にありがとう。

 

                            

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