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愛はコミュニケーション

『至福の時』

ペンネーム : くじら

 今回のテーマは介護。私もちょっとだけ父の介護を体験しました。最初の一年間は700km離れた赴任先から月に一回、一泊二日で通う程度。転勤があって車で3分の場所に引っ越してからは、母から呼ばれる度に私や家内が駆けつける。そんな毎日が続きました。母からの依頼は突然やってきます。母は一人でやってみて、どうしようもなくなった末に電話を掛けてくるのが分かっていますから、夜中だろうが、朝方だろうが、すぐ行くようにはしてました。身体が動かなくなって、時にワガママを言う父に文句を言いながら、ある時には昔の思い出話を楽しそうに話しながら、父のために母は母で出来るだけのことを精いっぱいしていたのだと思います。

 毎日大変な母のためを思い「仕事のシフトを変えてもらって同居しようか」と提案しましたが「できるだけあなたたちに迷惑は掛けたくない。わざわざ仕事のシフトを変えるなんて、そんなことしなくてもいいわよ。私たちはこのまま二人でいるのが楽しいのだから」と母は言いました。

 なるほど……80歳の直前まで共に働き、朝から晩まで周囲に大勢の人がいる中で仕事をしてきた両親。そんな両親に今訪れた、誰に気兼ねすることもなく、そして誰に遠慮することもなく、夫婦二人だけで過ごす幸せな毎日。それが父の介護ではないかと勝手に思っています。そして、その父の介護を楽しんでいる母を、私は尊敬しています。

 

                            

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