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愛はコミュニケーション

『肩の力を抜いて』

ペンネーム : うなぎいぬ

 母は昔からとっても肩凝りがひどく、その局所は石のようにカチンカチンになっている。 もんであげてはみるのだが、一向に効き目がない。それどころか私の腕が折れそうになるので、母の肩もみだけは勘弁してほしいと正直思っていた。マッサージ師に治療を受けてきても、「あんまり変らないわ」と聞くと、ますます敬遠していた。

 先日、膝の手術で入院した母が、看護師さんに「肩が凝って仕方がないんです」とつらそうに言っているのを聞いてしまった……。

 “同じ姿勢でいるから余計肩が凝るのだろうなぁ”と思うものの、楽になるほどじょうずにはもんであげられないし……と、相変わらず及び腰で、「やっぱり母の肩は苦手だなぁ」と思ったが、結果を度外視して思い切ってへたなりにさせてもらおうと思い、「お母さん、肩ももうか?」と聞いたら「いいの?」と言って断らなかった。

 やっぱり歯が立たず、「お母さんの肩、本当に石のようだね」と笑いながらもませてもらった。今さら力んでみてもしかたがないよなと思いつつさすり始めたら、母は「あぁ、気持ちがいい」と言いながら、いつの間にかスヤスヤと眠ってしまっていた。

 

                            

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