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愛はコミュニケーション

『それぞれの大切なもの』

ペンネーム : ストロベリー

 家の片付けをしていると、箱の中から子供たちの作品や小さいころに遊んでいたおもちゃなどが出てきた。今まで大事にしまっておいたが、もう要らないだろうと、思い切って捨ててしまった。

 数日後、「明日ね、授業で思い出のものを発表するんだ。だから、しまっているおもちゃ箱出して!」と子供から言われた。私は「もう要らないと思って、全部捨てちゃったよ」と答えると、子供は泣きじゃくり、大変なことになった。一つだけ残していたおもちゃを出して、何とか思い出のものとしてもらった。その場は何とか収まったが、今までしまい込んでいて、廃棄した途端こんなことになるなんて……。

 ある日、お気に入りの服のボタンが外れていることに気が付いた。もしかしてと思い、「お母さんのこのボタン、どこかに落ちてなかった?」と子供に尋ねると「うんあったよ!でもね、落ちていたから捨てちゃったよ!」。やっぱり!!捨てる前に一言聞いてくれたら良かったのに……。時すでに遅し……。次の瞬間、あっそうか、子供もおもちゃを捨てられた時、こんな思いになったのだろうな……。自分が同じ状況になり、初めて子供の気持ちに気が付いた。私もあの時、子供に一言聞いてあげれば、お互いにいやな思いをしなくて済んでいただろうに……。親と子の関係であっても、人と人として話し合い、納得し合った上で判断すべきことが大切だなと気付かされた。

 それからは小さなことでも尋ねることにした。すると、子供からも私に尋ねてくれるようになった。「お母さん、この紙もらってもいい?」「この紙はまだ要るから、こっちは使っていいよ」「ありがとう!」。以前よりもずっと会話が増え、何気ない会話と笑顔がいつの間にか多くなっていた。

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