愛のある「家庭・職場・地域社会」作りを目指すための、応援サイトです。
愛はコミュニケーション

女将さんの一言で

ペンネーム : ストロベリー

近所においしい料理屋さんがあり、路地裏に入った隠れ家的な場所にもかかわらず、お昼近くになるとお客さんでいっぱいになっている。毎朝、玄関の掃 除をしていると、そこの女将(おかみ)さんが「おはよう!まーちゃん。今日もいい天気ね。お庭のお花もきれいに咲いてすてきね」と、優しい一言を添えて挨 拶してくださり、いつも元気をもらっている。

ある冬の朝、窓を開けると外は一面銀世界! 雪国に嫁いできた私にとっては初めての体験。スコップを持ち、初雪かき開始!! 玄関の雪かきをし、庭 から道路まで、それから少しでも女将さんのお手伝いになればと、お店に向かって雪かきを始めた。しばらくすると、「まーちゃん、おはよう!あなた、もう2 時間も雪かきしてるわよ。腰を壊すから、もうやめなさいよ〜」とお店から女将さんの声。私は「え〜!もうそんなに時間がたってたんですね! 夢中になって 気が付きませんでした」と 応えて、道路に残る雪はそのままにして雪かきを終えた。

女将さんはお店の中を掃除しながら、いつまでも雪かきをしている私の姿を見るに見かねて声を掛けてくださったのだ。女将さんのお手伝いどころか、心 配をかけてしまったかなと思いつつも、夢中になって雪かきをしている私を気遣ってやんわりと掛けてくださった優しい言葉が、うれしくて、私の心がほっこり とした。

女将さんと挨拶をすると、どんな時も笑顔になり、話が弾み、心が豊かになる。いつもそばにいたくなる。また会いたくもなる。だから、女将さんのいるお店はいつもお客さんでいっぱいなんだ……、と理解できた。

翌朝、女将さんが「まーちゃん、おはよう。昨日は道路まで雪かきしてくれて助かったわ。若いっていいわね。まーちゃんと一緒にいるとこちらまで若くなった気がして、何でも頑張れそうでうれしいわ。年齢はそんなに変わらないのにね!」

いつも元気をもらうだけで、何もできない私だとばかり思っていたので女将さんのその一言はとてもうれしかった。私の若さが女将さんを元気にできるな んて、そんなことならいつでもご一緒しますよ!と思いつつ、また今日も私は私で、女将さんと交わす挨拶の瞬間に元気をもらっている……。

topに戻る