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愛はコミュニケーション

『ぼくのキャッチボール修行』

ペンネーム : 鉢かつぎ
学校から帰って来て「ただいまぁ、疲れた」と、玄関からいつものあいさつを投げ入れる。「おかえり」の代わりに「お疲れ〜」と返ってくる。「今日、マジ に疲れた」と言うと「お母さんも疲れた」と、速攻で投げ返される。ぼくが疲れている訳など聞くほど暇じゃないと言いたいらしい。こ っちもしゃべるのが面倒だから黙っていると、この機を逃すまいと母は一気にしゃべり出す。こんな時「オカン元気で無口がいい」と、つくづく思う。母親って、善意の心配と過干渉が子供に対する有力なコミュニケーションだと思い込んでいるようだ。

よく会話はキャッチボールに例えられるけど、ぼくの家族の場合は一方通行の自己満足アピールで終わってしまう。お互いの会話の目的は、自分を「分かってもらう」ためのものでもある。相手の言葉を受け止めて 、相手を「分かってあげる」だけの余裕がない。キャッチボールが全然続かない、不器用家族なのだ。言葉のコミュニケーションは空気を読むより難しい。でも、だから面白いのかもしれない。どんな相手とでもキャッチボールができるぐらいうまかったら、それだけで楽しいに違いない。

最近、帰宅の遅い母が「ただいまぁ、めっちゃ疲れた」と、飽きもせずにキャッチボールを挑んでくるので、ぼくが「お疲れ〜、めっちゃ腹減った」と、速攻で応えている。へたの横好き同士、キャッチボールエクササイズの始まりだ。

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