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愛はコミュニケーション

似た者同士

ペンネーム : 笑う犬

 結婚して16年、最近自分のちょっとした言葉で妻の気分を害してしまうことがよくある。

 お互いに少しずつ、外見に変化が見られるようになってきた。夜、 通販番組を見ていると「一日◯分、簡単なエクササイズで、 腰回りや足をシェイプアップ!」なんて番組が放送され、横にいる妻を見て「がんばったら」とついひとこと言ってしまう。 励ましているつもりが、妻はひどく傷ついている様子。 私の言葉で責められている気分になるという。そんなつもりは全くないのだが、理解してもらえない。

 ふと、言い方を工夫するのが優しさなのではないかと気付くが、それがなかなか難しい。いつでも許してくれるだろう、とつい甘えてしまう。でも、この先も人生を一緒に歩むのだから、もっと喜ばれる表現をするべきだと思ったが、これもうまく行かない。

 そんな中で、大きな失敗をしてしまった。その日は朝から晩まで息をつく暇もなく、仕事を終えて、ようやく家にたどり着いたところだった。妻に「今夜は◯◯の当番日ですよ」と言われるが、頭が痛いので「今日は止めておくよ」と答えた。しなければならない用事があるのは分かっていたのだが、どうも体調がすぐれない。すると、単純にサボリだと思ったらしく「さぼらないでくださいね」と返される。その言葉尻に、自分がとがめられているように感じ、「夫の気分が分からない妻だな」とムッとした。

 しばらく何も答えずにいると、何度も何度も同じように言ってくる。そして5、6回言われた時に「ブチッ」と堪忍袋の緒が切れてしまった。そこからの私の表情と態度は言うまでもなく……。私はその用事を済ませるために、それでも「一緒についていきましょうか」と声を掛けてくれた妻を無視するように、家を出て行った。

 似た者同士の夫婦なのだろう。お互いが同じような失敗を繰り返してきた。そして今は、感情的になりそうな時は、ほんのちょっとでいいから心を妻に向けて、妻の言葉の裏に隠れた「ほんとうの気持ち」を感じてみようと努力している。すると、当たり前だけれど、妻の優しさに気付くことが増えてきている。

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