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愛はコミュニケーション

待つ心

ペンネーム : ひまわり

 「早くしなさい!」。この言葉を、今までに何度娘に突きつけてきたでしょうか……。

 娘が幼い頃、 " 親バカ " を自覚しながら、その笑顔や仕草を見て「世界一かわいい!」などとよく思ったことでした。その一方で、夫婦とも朝から晩まで仕事を抱えながら子育てをしており、毎日ドタバタの生活をしていました。

 家事がたまっていく、洗濯物の山、あれもやらなきゃ、これもしなきゃ……。でも、疲れてふと気がつくと娘の隣で眠っており、目が覚めては後悔。こんな悪循環がしょっちゅうでした。

 子供が初めて靴ひもを結べるようになった時は、ほんとうにうれしかったです! ひもを得意げに結んでいる姿は今でも目に浮かぶほどかわいかったのです。でも、私たち親が時間に追われる生活の中で、例えば約束の時間ぎりぎりに家を出るような時は、あれだけかわいいと思った娘の靴ひも結びも、「早くしなさい!」という一言とともに、待ちきれずにイライラしながら私がやってしまう。そんなことが何度もありました。

 洋服のボタン掛けができるようになった時だって、とてもうれしかったのに……。パジャマのボタンに毎晩挑戦するようになって、本人は一生懸命集中して頑張っているのに、早く寝てくれないとたまっている用事ができないという私の都合から、結局「早くしなさい!」と……。親の都合で小言ばかり言っていたなあ、と反省しきりです。意外と楽しく子育てができていたと思っていましたが、今思えばイライラしていた時の方が多かったかもしれません。そのたびに、小さな娘の自立の芽を摘んできたのだと思います。
 
 大学生になった娘が料理に興味を持たないのは、包丁を使いたいと言ってお手伝いをしようとした幼いころに、ゆっくり時間をかけて一緒になって教えてあげられなかったからだと思います。今思えば、私に余裕がなかったからなのですが、危ないとか、あーしなさい、こうしなさいとか、そのときに楽しくない思いをいっぱいさせて、結局は私が手を出してやってしまってきたせいかな、と……。

 子供の自立を育てるには「待つ心」、これがとても大事なことなのです。

 今では、お父さんのことが大好きな、優しい娘に成長してくれています。きっといつか誰かのために、料理もがんばってするようになるのではと、反省も込めて祈りつつ、期待している今日この頃です。

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