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愛はコミュニケーション

娘のネイル

ペンネーム : 笑う犬

 最近、中学生の娘の行動に理解できないことがしばしば起こってくる。

 その一つがネイルだ。春休みに入ったとたんに娘の爪は白く塗られていた……。最近流行の色らしい。ふと、「おしゃれをしたいのか……」と思ったが、ダメなものはダメ。「校則違反するな」と一言浴びせてしまった。きっと「やめなさい」と優しく言っても、理由を付けたり反抗したりするだろうと思い、自分勝手に会話を終わらせてしまった。案の定、娘はぶ然とした表情で何も言わない。気まずい雰囲気を感じていても、私は自分の言葉や態度を反省できず、時間だけが流れていった。

  幾度となくこんなことを続けていく中で、会話のキャッチボールをしてみようと考えた。白くなった娘の爪を見ながら、「なぜネイルがしたかったのか」と尋ねてみた。
 「友だちがしているのを見て、自分もやってみたかった」
 「でもそれは校則違反だろ?」

 「学校に行く時はしていないし、休み中だから校則違反とは思っていなかった」と。

  少し気持ちを踏み出して話し掛けてみると、意外なほど穏やかに話ができた。最後に「そうか」というと、娘はいつものにこやかな表情をした。その表情を見て、校則違反を理由にダメと言っていたものの、実はいつまでも父親に甘えていた娘が少しずつ親から自立して成長していることを受け入れられない自分がいることに気がついた。年頃の娘であれば、おしゃれをすることは仕方ないことである。ただの悪あがきと笑われるかもしれないが、心の奥底に「娘に近寄る異性に対する父親としての牽制(けんせい)」も含まれているようだ。

 親子の間にも、お互いに理解できないことがあるからこそ、一方通行にならないように会話のキャッチボールを大切にしなければ、と思った。今回の娘とのやりとりのように年齢差で理解できないことも、会話を大切にすることで幸せになれる道筋は見えてくると思う。

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